あまり聞きなれない言葉ですが、それまで元気だった赤ちゃんが、突然寝ている間になくなってしまう病気です。
いったいどうしてこうした病気が起こってしまうのでしょうか?
目次
SIDSとは
SIDSとは、「乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)」と言い、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や病気で亡くなるのではなく、睡眠中に亡くなってしまう突然死の一つです。
★【SIDSの発祥事例】
項目 | 結果 |
日本での発症頻度 | 約2000人に1人 |
発症時期 | 生後2~6ヵ月 |
年間死亡者数 | 100名未満 |
発症時期 | 寒い時期 |
そのほとんどが1歳未満の乳児期の赤ちゃんに起こっており、特に、生後2~6ヵ月の赤ちゃんに多いと言われています。
近年発症頻度は年々減少傾向にありますが、未だ 原因は解明されておらず、育児環境が原因であることがわかってきました。
SIDSによる年間死亡推移
またSIDSによる年間死亡推移について、下記に示されています。
【参考文献:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201710/2.html】
日本でのSIDSによる死亡者数は、年々減少傾向を推移していますが、令和2年(2020)年では、約60名の乳幼児がこのSIDSで亡くなっており、1歳未満の赤ちゃんの死亡原因としては第4位となっています。
SIDSの主な原因とは
SIDSの主な原因は、主に下記のような理由が挙げられています。寝ている間に赤ちゃんが窒息してしまうなどの事故死は含まれていません。
原因と起因事故
<SIDS主な原因とは>
- 原因は解明されていません。
<起因の可能性が示唆される事故>
- 70%以上が親の添い寝!
- うつ伏せによる窒息
- 毛布や衣類による窒息
- 人工栄養
SIDSは、赤ちゃんの窒息死による死因はSIDSとした診断には至りません。
そのため、これまではSIDSについてのリスク要因として、毛布や衣類などによる窒息や人工栄養による問題、受動喫煙等による健康阻害による問題とされてきていましたが、今その突然死の影響を高めている要因として、「添い寝」による突然死も大きくとりあげられるようになっています。
特に多いのが、睡眠中の添い寝による腕の重みが、赤ちゃんの胸部を圧迫したり、赤ちゃんの頭部や胸部に肘を振りおろしてしまったりと、就寝中に行われている無意識のうちに行われている行動によるものが、大きくとりあげられています。
赤ちゃんの寝かしつけのために、一緒に添い寝をして、寝かせることも多いかと思います。
スキンシップという意味でも一緒に寝ることはすごく大切ですが、こうしたよしと思っていた行動が、知らずのうちに命を奪ってしまっていることもあるということなのです。
SIDSの発症率を低くする主な予防法・対処法について
今現在、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率を低くする6つの事が分かってきています。
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ポイント
<発症率を低くする主な6つの対処法とは>
- 仰向けに寝かせる
- 母乳で育てる
- タバコは禁止
- 赤ちゃんを一人にしない
- 一緒に寝すぎない
- 部屋を暖かくしよう
1.あおむけで寝かせる
研究者の調査により、あおむけより、うつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発生率が高いということがわかっています。
SIDSはあおむけ寝でも起こるので、うつぶせ寝が直接的な原因というわけではありませんが、うつぶせ寝だと睡眠中の覚醒反応(目覚める反応)が遅れることが、最近の研究で示されています。
医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。寝返りが打てるくらいに成長すれば、むしろSIDSは起こりにくくなると考えられています。
2.寝かせる時に注意点とは
注意ポイント
- 寝具は固いマットを使用し、枕は使わないようにしましょう。
- かけ布団やタオル、ひもなどが顔にかからないようにしましょう。
- ベッドの回りにはガーゼやビニールなどを置かないようにしましょう。
- 赤ちゃんを寝かす時はいつも場所や寝具への配慮をしてください。たとえば、日中の短い眠りでもソファなどに寝かせるのはやめましょう。
3.タバコをやめよう
タバコはSIDS発症の大きな危険因子です。 妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。 妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。 これには、身近な人の理解も必要ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
4.赤ちゃんを一人にしないで
よく眠っているからといって、長時間、赤ちゃんを一人にしないようにしましょう。 赤ちゃんを一人にして外出するのはやめましょう。
なるべく赤ちゃんと同じ部屋で寝るようにしましょう。
※なるべく赤ちゃんを一人にしないことや、寝かせ方に対する配慮は、窒息や誤飲、けが、やけど、浴槽に落ちて溺れるなどの事故を未然に防ぐことにもなります。
5.一緒に寝すぎない
添い寝は、スキンシップとしても大切ことですが、誤って腕が乗ってしなう等もSIDSの突然死の原因の一つとなってしまうことを覚えておきましょう。
6.部屋を暖かくして寝よう
またSIDSの発症時期は、冬の寒い時期に多いことがわかってきています。
そのため、冬の寒い時期は、睡眠中の体温低下なども考えられるため、なるべく部屋を暖かくしておくことが様々な病気の対策に有効です。
まとめ
乳幼児突然死症候群(SIDS)は自分が予期していない時に赤ちゃんの死が訪れる怖い病気です。
自分が注意を払って子育てしている中で起こるものですので、今一度自分の生活を見つめ直し、突然死が起こらないような生活の工夫をしていきましょう。
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